令和元年から二年半にわたり進めて参りました当社本殿の保存修理事業が三月末日をもって完了し、畏きあたりより弊帛を賜り、昨日、本殿遷座祭、本日、奉祝奉幣祭を斎行できましたことは洵に感慨深いものがあります。
近世に至って荒廃していた本殿は、慶安元年(1648年)初代福山藩主水野勝成公によって造替され現在に続いています。今回の工事は部分保存修理ではあるものの、御屋根葺替、木部修理、彩色・錺金具工事など全面的に改修して頂きました。また、丁寧に調査を行い、新しくわかってきた事も多く、詳細にまとめて後世に引き継ぐ所存です。
この度の「令和の大遷宮奉賛会」事業にご支援・御奉賛賜りました氏子崇敬者の皆様、ご指導賜った文化庁を始め県市の文化財担当者様、設計監理を担われた公益財団法人文化財建造物保存技術協会様、修理工事に携わられた株式会社村上社寺工芸社他工事関係者の皆様方に心より御礼申し上げます。
また、令和の大遷宮奉賛会会長藤原平様を始め役員の皆様の並々ならぬご尽力、祭典、奉祝行事に対して網引学区まちづくり推進委員会の皆様や地域の皆様の多大なるご協力に対し、謹んで感謝と御礼を申し上げます。
先人より受け継いでまいりました伝統と文化を後の世に伝えることと工事を通して得られた知見ならびに保存技術の継承に努めることは神社にとって大切な役目の一つです。
今後も氏子崇敬者の皆様と共に鎮守の杜の聖域を護持し、さらなる御神徳の発揚に努めて参りたいと存じます。
備後一宮 吉備津神社
宮司 追林貴之
令和4年4月23日